短編連作 『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』
Netflix配信の『 ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』を見ました。
これは短編映画集のようなもので、だいたい60分の短編が8作あります。どれもデル・トロ監督の好きそうなホラー的、SF的な要素が含まれています。全ての作品がデル・トロ監督の元に作られたわけではなく、着想を得た原作があるものもあります。
私は特別デル・トロ監督が好きというわけではないですが、氏の映画作品の中では『パシフィック・リム』や『パンズ・ラビリンス』は好きな作品のひとつです。
当の『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』は玉石混交という感じで、作品ごとに監督や脚本家が違うため、好みが分かれそう、という感じでした。ホラー目的に見ると、少し拍子抜けするかなあというのが正直な感想で、どちらかといえば怪物が出てくるファンタジー、SFの要素が強かったと思います。これは宗教観によっても見方が変わるのかもしれません。
一番好きだったのは『解剖』で、ミステリ要素もありどきどきしながら見ることができました。最後の『ざわめき』はとても好きな話でしたが、構成があまり肌にあいませんでした。
どの話も一捻りきいているので、もし視聴可能でダークファンタジーやライトSFが好きな方いましたら、ぜひ見てみてください。全体としては安定して高得点を叩き出してる感じなので、自分の好きな作品を探してみるのも楽しいと思います。
『ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋』によせて8首
悪魔とはそれのことではなくて君のことだとそっと教えてくれる
臓物の隅々を残さず食べるネズミの掘った穴は虚しい
テープには信じられない応酬が並ぶけれども君を荼毘にふす
別の誰かになりたかったそれだけだ淡い夢だけ叶う悪夢だ
なにひとつ見えぬけれども暗闇に存在しうる君も覗けよ
オレンジの片方欠けたままでゆく人生は無意味だ君といたいよ
知らぬ人から出された酒もお薬も場に流されてのんではだめだ
悲しみも苦痛も全て持つ鳥がはばたききみを連れ去っていく
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