2023年の印象に残ってる映画一言紹介
本をやったので映画もやらないと不公平かなと。承前通り、忘却に自信のあるわたしが覚えている作品群なのである程度は面白いと思います。
『ドリーム・ホース』 https://eiga.com/l/S0ffU
とあるウェールズの片田舎に住む仕事と介護に忙殺されている女性(と愉快な仲間たち)が競馬の馬主になったらその馬がはちゃめちゃに強く育ってしまった話。実話。そんなことあるんか〜!の連続で見ていて楽しかった。
『NTL レオポルトシュタット』 https://eiga.com/l/PoCcd
あるユダヤ人一家の50年の軌跡をたどる物語。登場人物が多いので覚えるのが結構大変だけどそこは舞台の妙か、意外となんとかなる。ユダヤ人とホロコーストはどうしても強く結びついているので、そこがとてもしんどい。生き残った子孫たちの語りで終わる最後が重い。
『ピンク・クラウド』 https://eiga.com/l/n6SIR
コロナ禍の予言か!?という触れ込みもあったけれどこれはこれとしてきちんと独立したお話になっていたなという印象。触れたら10秒で死に至るピンク色の雲が漂うようになった世界で一夜を共にするだけだったはずの男女が一緒に家の中に閉じ込められてしまう話。始終話は淡々と進むのだけど、どんどん追い詰められていくのがリアルで怖くなってしまった。
『生きる LIVING』 https://eiga.com/l/FO8R4
黒沢明監督の『生きる』の英国版リメイク。脚本・脚色カズオ・イシグロ、主演ビル・ナイという最強の布陣なので面白くないわけがない。原作のいいところを存分に取り入れて第二次世界大戦後の英国に翻案されている。原作にはないメッセージ性を強調することで一味違った終わりにしたのも上手い。
『ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り』 https://eiga.com/l/mkmoI
今年最強のエンタメ冒険ファンタジー。こういう楽しいの見たかったんだよ〜!を全部叶えてくれる。興行収入は振るわなかったらしいけど出演者や製作陣がものすごくこの作品のこと好きなんだな〜というのが伝わってきてそこも最高。次回作もあるとかないとか。期待してます!
『スマイル』 https://eiga.com/l/pAYpA
笑顔がめちゃくちゃ怖くなる良質ホラー。笑いながら自死する人を目撃すると自分も笑いながら自死に至るという最悪すぎる連鎖を断ち切ろうとてんやわんやする話。設定の強さもあるけどストーリーがかなり丁寧に作られていた気がする。
『FALL/フォール』 https://eiga.com/l/EB7u6
バカ高い鉄塔に登ったら降りられなくなった!というワンシチュエーションスリラー。高所恐怖症なのに見たので自分のバカ!と何度も叫びそうになった。若干『海底47m』を思い出した。106分、一瞬たりとも気が抜けない緩急の付け方がめちゃくちゃ上手い。
『NTL ライフ・オブ・パイ』 https://eiga.com/l/dSsa8
同名の映画もあるけれどそちらは未視聴。舞台上を走りまわる動物たちのパペットがものすごい精度で、本当に生きてるのでは?と思うほど。現実と現実を物語ることについて考えさせてくれる。
『イノセンツ』 https://eiga.com/l/ZUCn3
特殊な力を持ったこどもたちがこどもらしい残酷さでどんどん過激に人を傷つけていってしまう話。主人公には特殊な力がないというのがけっこう珍しい設定だなと思った。親がこどもを愛するということってどういうことなんだろうとも考えてしまう構成になっていてラストが尾を引く。
『裸足になって』 https://eiga.com/l/NGzHm
とある事件がきっかけで足に大怪我を負い声が出せなくなったダンサーの女性がろう者の女性たちと新たな居場所を作っていく。アルジェリアという国にあまり馴染みはないけれど、戦争や紛争の傷跡の残る国で生きていくことの困難も真っ直ぐに描いていて見ていて苦しい。でも誰も生きるのを諦めない。
『愛してるって言っておくね』 https://eiga.com/l/CSAMi
短編アニメーション。学校で起こった銃乱射事件で娘を亡くした親の悲しみと苦しみ、思い出と癒しについての話。とても短いけれど感情がぐちゃぐちゃになる。
『オオカミの家』 https://eiga.com/l/hxDcG
チリに実在したコミューン「コロニア・ディグニダ」を題材にしたストップモーションアニメーション。まず74分間動き続ける人形や絵がとんでもなくすごい。あえてカクカクした動きを残すことで不穏さや不気味さ、恐ろしさが際立っている。狂気的な世界観はもうお願いだから見て体感して!としか言えない。見て。
『ロスト・キング 500年越しの運命』 https://eiga.com/l/M3ndY
リチャード三世は本当に極悪人だったのか?遺体は本当に川に流されたのか?とある舞台でシェイクスピアのリチャード三世を見て疑問を持ったひとりの女性が遺骨を発見するまでの物語。実話。プロパガンダの恐ろしさも感じる。女性であること、病を持って生活すること、社会的に軽視されることについて疑問を投げかける構成も良い。
『シックス・センス』 https://eiga.com/l/dp6O
往年の名作をようやく見た。これはもう何のネタバレも情報も見ないで見てください。以上。
『聖なる証』 https://eiga.com/l/WuPlP
何も口にしないで生き続ける「奇跡の少女」をめぐる少女の家族と彼女を観察しにきた看護師の話。奇跡は本当にあるのか?信仰とは?赦しとは?宗教色はそこまで強くないけれど真実を知った時の行き場のない感情が苦しい。
『13人の命』 https://eiga.com/l/SPt0J
2018年、タイで洞窟の奥にサッカーチームの少年とコーチ、13人が閉じ込められた事件を題材にした話。事件のことは知っていたけどどのように全員が助かったのかは知らなかったのでドキュメンタリーを見る感覚で見た。13人のため奔走する人々の決断がすごい。
『NTL 善き人』 https://eiga.com/l/WF6PZ
普通の大学教授が徐々にナチスに取り込まれていく様を描いた作品。デビット・テナント主演なので見に行った人も多いのでは。原題は「GOOD」。世間の潮流を軽視し、流されるまま、楽観視したまま、自身に都合の良い解釈をしたまま生きていく教授が最後に辿り着いてしまった場所とは。認知の歪みは外から見ることでしか気づけないものなのかもしれない。
『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』 https://eiga.com/l/kL5tL
今年ラストを飾った(と思う)良質ホラー。死んだ霊媒師の手を握って呪文を唱えれば幽霊が見える。制限時間は90秒。母親を亡くした主人公はそれに挑戦するが…。という話。オーストラリア製ということで欧米ホラーとはまた違う味わいがある。生き物が傷つくのが苦手な方は気をつけて。
以上。
今年観て印象に残っているものを列挙してみました。参考になれば。
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